R・U社本社ビル
1階オフィス内観。細長い連続スリット窓と角のない繭のような白壁の中に木の家具がレイアウトされています。
さいたま市を中心に不動産関連事業を展開する会社の本社です。
男社会の印象の強い業態のハードで効率優先のオフィス空間ではなく、カフェやギャラリーのようなソフト&カジュアルなイメージが要望でした。
ここでは、空間成立させる合理的な構造をベースにしながらも、柔らかな仕上をうっすらと施すことで、女性的で優美な表情の獲得をめざしました。
構造は地盤が弱いこととコストの制約から、耐力壁を壁柱状に並べ、隙間を縦長の開口部としたシンプルで軽量な木造の骨格とした。要望スペースは執務、接客、休憩そして収納スペースだったが、個室化せず木の家具でゆるやかに分節し、収納スペースも2階に回廊状に設け図書館の開架書庫のように1階と一体感が得られるよう空間参加を促しています。
内装は、壁や天井の出隅・入隅の角を丸くした連続した繭の中のような化粧とし、構造構成の強さを薄めている。その中に床や家具、階段、縦長の開口の額縁を生成りの木で統一して造りレイアウトすることで、カジュアルな佇まいを目指しました。
外装は、柔らかいひとつながりのドレープ状の金属と樹脂の被膜を被せ、内装同様構造構成の強さを薄めることに寄与させています。その連続した被膜は建物前面で建物からはがされ、ねじられることにより駐車場の庇となって外観を特徴づけ、客を誘うサインの役割を期待されています。
正面外観。金属と樹脂の波型の板がドレープのようにうねり建物に誘います。
側面外観。波板は建物壁から連続し駐車場の庇に変化します。
斜め側面外観。波板は同一面内だけでなく3次元にねじれています。
斜め外観近景。ドレープ状にうねる外壁とそれにつながる駐車場庇。
前庭外観。うねる波板がほどよい囲われ感を醸し出しています。
1階オフィス内観。内部からは羽衣のような波板が飛翔する様子がうかがえます。
家具と一体化した階段から浮いた階段、2階、さらにその先の天窓へと家具階段が続きます。
1階オフィス内観夜景。繭のような白壁を引き立たせるぼんやりとしたライティング。
2階ギャラリー内観夜景。ここは屋根から吊られたエリアでぐるっとめぐらせた手摺が照明となって天井を照らしています。
1階オフィスの繭のような白壁近景。